コラム「猫の手も借りたい」№210 ネコそれぞれ

黒ちゃんは、去勢手術が終わって1ヶ月半経ったけれど、前の関係にまだ戻れていない。
相変わらず遠巻きで、私に警戒している。

術前は玄関ドアのすぐ前で、寒かろうと置いてやった段ボールの上で箱を作っていたが、今は庭の縁石の上で箱を作っている、冷たかろうに……
それでも、手術翌日から一日も欠かさずやって来る、それも日没と同時に。
男の子は、割と軟化するのが早い傾向がある、最初から軟化してる子も多いかな。
なのに黒ちゃんたらお硬いわ(笑)

しかし、以前は置きエサのドライフードが主食だったはずだが、黒ちゃんはうちでは「おいしいもの狙い」だ。素茹での鶏肉やウエットの、それも大缶ではなく小さい缶やパウチ、レトルトなど、単価が高いものばかり好んで食べる、ったく、もう……
それと、とにかくおいしいものが出てくるまで諦めない。夕方5時過ぎから8時、9時まで縁石で箱作り、何度もねだる、やれやれ。
まあ、そのうちよい関係が作れるでしょう、エサをもらう人(つまり私)とはやっていくしかないですから。

私もたくさんの外ネコちゃんと付き合ってきたけど、黒ちゃんタイプはいなかったなあ。
エサをもらい終わったのにもかかわらず、ずっと何時間も帰らない子はいなかった。
階段下のハウスを空けて待っているのに、来ない子もいなかったなあ、黒ちゃんは来ない。
ホントに、やはりネコって「それぞれ」ですね。

しばらく活動していないが、「にゃんこの里親会」で譲渡をする前段階で「トライアル(お試し飼育)」を行う。
里親さん候補が、ネコを迎えてみて「こんなハズでは」と思惑が外れたりすることもあり、その調整を行ったり、場合によっては飼い方の説明をしたりアドバイスをしたりと、新しいネコさんを家族にしていただく手助けをするわけだが、トライアルに入る段階で、A4用紙3枚にも及ぶ「トライアルについて」というお願い文をお読みいただくことにしている。
その中で繰り返し出てくるフレーズで「他のネコさん、先住ちゃんがしなかったからといって、このネコちゃんがしない、ということではありません」というくだりがある。

ネコは「十ネコ十色」で、10匹いれば10匹が異なる行動をするからご注意下さい、というお願いなわけだが、その「行動」は単純な、くすっと笑えるようなものから、命にかかわるようなものまであり、特に「命にかかわるもの」については可能な限りお伝えし、ネコちゃんが事故に遭わないように里親さんにご注意いただいている。

うちの「ペル」は、歴代ネコがしたこともない「植物を食べる」ということをする。もちろん「ネコ草」ならなーんの問題もないが、室内にある植物を手当たり次第に口に運んでしまう。
迎えた当初は歴代ネコはそんなことはしなかったから、まったく油断し考えてもいなかったが、血液検査に行くと「肝臓」の数値が跳ね上がることが数回続いた。

ペルはもともと、高めな肝数値ではあったのだが、あまりに凄い数値(3桁でも凄いのに4桁だったこともあった/正常値は2桁)で、「えっ」と主治医も私もびっくり。
その都度、薬を処方していただき、投薬するとぐんと下がるのだが、しばらくするとまた上る……。
なんでだ、と首を傾げていたらある日、植物をかじっているペルがいた。
私は、動物には興味があるが「植物」にはない。虫以外のトカゲや蛇(虫さん、ごめんなさい)も平気で触れるくらいの動物好き。ところが植物にはとんと興味が湧かないのだ。
しかし、生花や鉢植えなど、ある程度は置いてあった。それはタマの時だって同じである。
タマは、ネコ草以外はまったく興味を示さず、私でも時々は綺麗なお花を飾り、楽しんではいた。

続きます。

2021年2月 くどいけいこ