コラム「猫の手も借りたい」№205 トラミにゃ勝てないわ4

フードもちゃんと食べるようになり、体重もちょっと増えた。
しかし、警戒の目は変わらず、シャー(笑)、まあ、ヨシとしよう。
2週間の入院ののち、トラミは退院してきた。
うちはペルがいて、闘病食の肝臓サポートを食べている上にエイズも持っている。一緒にするのはどうしたもんか、どうしようか、と思っていたら昨年亡くなった太郎を面倒見てくれていた友人が、うちで看るよ、と助け舟をだしてくれた。ありがたい、ありがとう。

トラミは行き先が決まりほっとしたが、ケージやトイレなど準備も進めなくてはならない。
まだまだ人慣れしていない彼女をいったんケージに入れたら、体調を崩した時に容易にキャリーバックに入れることもできないし、ケージも大きさや使い勝手をよく考えて選ばないと、おいそれと交換はできまい。
ケージは主治医と相談した上で上下運動が可能な2段ケージに、キャリーバックは、そのままケージの中に入れそれを寝床とし、いざ、という時に備えることにした。

退院後の注意が主治医からあり、膵炎は再発しやすく充分に気をつけて、とのこと。
体調が悪かったら来院して欲しいが、なんせ慣れていないトラミさん、様子を見ながらできることをしてやるしかないかな、との話をしてお世話になった病院をあとにした。

苦し紛れに私を頼ってくれたトラミさん。
黒ネコくーちゃんから預かった命でもあると思っている。
少しでも穏やかに、少しでも長く生きてくれるように、そして友人に慣れてくれるようサポートしましょ。

トラミのことが落ち着くのにかれこれ2ヶ月、その間に「新型コロナ」もまたぞろ猛威を奮い始めた。

なにをするにも、どこへ行くにも、食材の買出しでさえ神経をすり減らさなくてはならない。
友人との親交を深める?いや、深められないよ、この昨今。
せいぜい電話かオンラインってやつで、食事も囲めないって、本当になんていやなシチュエーションなんでしょ……
そういっていてもラチがあかないので、その中でできること、できうる楽しみを見つけるしかないが、そう簡単なもんでもない。
年齢がいってる私はため息がでるが、それでも生きていかねばならぬのだ。

さて、トラミさんをピックアップしてしまったので、うちの近所、私のシマの屋外に残っている「飼い主のいないネコ」はいなくなってしまった。
15年ほどエサやりを続けて、やっとやっと終了しそうだ、と思ったとたん、また、ややこしい案件が持ち上がった。
うちの3~4軒先にお若いご夫婦がここ2年ほど前に越してこられた。
ネコ好きで、トラミやくーにもおやつをあげてくれたりしていたが、いかんせん、ネコには積極的だが人には消極的でコミュニケーションが取れず、話しかけても生返事、いや、シカトってやつだな。

そうこうしている間に、そのご夫妻が住まわれているアパートの階段をネコが行ききするようになった。どうやら置きエサがあるらしい。
えー、置きエサは不特定多数のネコを呼んでしまうから勘弁して欲しいなあ、どうしたもんか、と思っていた矢先、なんとそのご夫妻、引越してしまった。
それに伴い、新たな問題が発生した。

次号でお読みいただきます。

2020年11月 くどいけいこ