コラム「猫の手も借りたい」№203 トラミにゃ勝てないわ2

「トラミが、いきなりいなくなりました」で始まった前回のコラム、10月28日の午後アップしました。
その夕方、ハウスを覗くと、なんとトラミが帰ってました、びっくり。
水とフードを置いて、「帰ってきたのね」と声かけると「にゃーん」という返事。
その晩は深夜まで様子を見ていたが、ちょっと眠った翌日朝、また姿がなくなっていた。
複雑な気持ち…、もう2週間以上も食べていないから、辛かろうに苦しかろうに。
一体どうしてやったらいいのか、悩むばっかりだ。
フードを食べないから、捕獲器で保護は不可能でもあったし、万が一この状態で保護しても、人の手にかかって病院の診察台に乗せられるのはどう思うだろう…。

そんなことを考えていた。
次に事態が動いたのが30日のお昼頃、またハウスに帰ってきた。
もう、3週間近く食べていないのにまだ生きているトラミ。私も体力でも気力でもすでに限界がきていた。

その夜、様子を見ようと玄関ドアを開けると、玄関前のハウスで音がする。
寒い時期に玄関前で給餌の時間を待っているくーとトラミ。寒かろうとハウスを1個置いてあり、今年は私が夏場にいなかったため、たまたまそのままになっていたのだ。
トラミなの?!と思わず声が大きくなった。トラミの返事が聞えた。その時、明日の朝、息があったら保護しよう、と決めた。
辛い、苦しい、と訴えているのだ、彼女は。ネコは、自分には明日がない、などは解らない。
とにかく、苦しいんだ、だから「助けて」と、とうとう玄関まで上がってきたのだ。
その夜、捕獲の方法を考え準備を進めた。

捕獲器が使えないから、ハウスに入ったままハウスごとの保護を決めた。
ハウスごと保護(捕獲)するのは、もう外には戻さないことを意味する。
戻しても「ハウスは危険」とネコが判断し、ハウスに入らなくなってしまう結果を生むと、ネグラを失って冬越しできない可能性も高いからだ。
もっとも、時間が経つと忘れてしまう子が多いから、春から夏にかけてならそう大きな問題はないと思う。

ハウスの出入り口を塞ぐ用の段ボールをサイズを考え切り出した。
次に、ハウスのサイズよりちょっと大きな段ボールを探し出した。ハウスの口を塞いで捕獲した後、そのままその段ボールにすっぽり入れてしまおう、という作戦である。さて、うまくいくか…、その前に生きていてくれるのか。

翌朝、ハウスを覗くとトラミは生きていた。そーっと入り口に蓋をし、手伝いにきてくれた友人が開けてくれている一回り大きな段ボールに静かに入れた。
友人と私は、ほっと安堵のため息をついた。
そのまま動物病院へ。手で抱えて段ボールを運んだ。
軽い…、中でゆっくりトラミが動くのが伝わってくる。
診察日が土曜日だったが意外と空いており、よかったと思ったが、急患があったらしく診察にまで少し時間がかかった。

ドクターにハウスごと保護した経緯や、状況など話した。トラミは何度か受診しているので、カルテがあった。
そのままお預けし、私はいったん、自宅に戻った。

2020年11月 くどけいこ