コラム「猫の手も借りたい」No.194 カラス

カラスってどこでもいるねえ、やっぱり。
実家の前の畑の脇に、大きなポリバケツ、飲食店が使うような大きなゴミバケツですね。
その中には雨水がいっぱいに入っており、それを2羽のカラスが飲んでいるのが見えた。
朝のゴミ捨ての時だ。

さて、その日の午後、私は散歩に出かけた。
だいたい30分は歩かないと足の筋肉が弱ってしまいそうなんで、晴れたら屋外を、天候が思わしくない時は家の中を歩くように心掛けている。
だから晴天に恵まれたその日は、ヨシ歩くぞ、と春の風に吹かれながら汗を拭き、実家の近くに帰ってきた時のこと。
突然、その2羽のカラスに襲われた。長いこと、っていっても20年くらいか、田舎暮らしをしていたが、それでも初めての経験。
頭を襲われ、驚いて身をかがめた。間髪入れず次の襲来。
慌てて、実家に逃げ込んだ。幸いにもケガはなし、やれやれ。

彼らの攻撃が収まったあと、そっと庭からカラスの様子をうかがうと、お隣の大木の上に「巣」らしきものが確認できた。
こんなシーン、春になるとテレビのニュースでも取り上げられ、なぜ襲われたかというと、巣引きの最中、卵を抱いているかヒナがかえっているか、ということらしい。
これ「動物のお医者さん」という漫画の中にも出てきたなあ、確か。
しかし、ケガがなくてよかった、しばらくは注意が必要だ。

そんな、気の立っている凶暴なカラスもいれば、思わず微笑んでしまうようなカラスにも出くわした。

これも散歩中の出来事。
もう少しすると、田植えが始まる。今は「田起こし」の時期で、今時なんで、トラクターで田を耕している光景がちょこちょこ見られる。
その田起こしで耕しているトラクターの数メートルうしろを、一羽のカラスがゆっくり付いて行くのを目にした。耕したばかり田の土は柔らかいため、カラスも歩きにくそうにだが付いて行く。
なぜ?と思って観察していると、掘り起こされた土の中にいる虫をついばんでいるのか、あるいはなにかの植物を食べているのかは分からなかったが、とにかくなにかを口にする様子は確認出来た。
「ゴンベがタネまきゃ、カラスがほじくる」まぎれもなく、その図ではないか。
つい最近、私を襲った同族とはとても思えないような、おっとりした動き、呑気にエサをついばむ姿も「カラス」に間違いない。
撮影しようかと思ったがタブレットを置いてきてしまった、残念。

しかし、面白かった。しばーらくその光景を眺めていたが、田起こしが終了したため、そこで終了〜となりました。

動くもの、というとどうしても「鳥」になってしまうなあ。
他のものも探してみよっと。
でも、今思いつくのは、、、、 ひばり ツバメ だ(笑)

2020年5月   くどいけいこ