コラム「猫の手も借りたい」№59 ウエスタン 下

保護、入院した黒猫は若いメスであった。ステーキハウスの前で保護したので「ウエスタン(仮の名前) ~女の子なんだけどな~ 」と命名した。しばらくの入院は必要だが、元気になったら元の場所に戻せそうとのドクターのお診立てだった…

コラム「猫の手も借りたい」№58 ウエスタン 上

携帯が鳴った。理事長からである。時計を見ると夜 11時を回っており、嫌な予感がした。電話に出るとこんな感じ。 「あなたの(私の)家の近くをたまたま車で通ったら、猫が車道にうずくまっているように見えた。車線変更が出来ずその…

コラム「猫の手も借りたい」№57 餌をやること

うちのご近所で、猫への「餌やり」のことで揉めている。困ったことだ。 ご近所で給餌をしていた女性が、たまたま会合を開いていたこの地域の人々に咎められ、会合の場で吊るし上げられたらしい。「避妊去勢手術を自費ですべて行い、正当…

コラム「猫の手も借りたい」№56 「かよちゃんはみた?!」

2月の寒い寒い金曜日、週末の東京都北区に大変なことが起こった。 当日私は仕事場で勤務中。電卓を叩かなくてはいけない部署にいるので、年度末に向けてのこの時期は本当に忙しい。 夕方から携帯にメールが次々に入るのに気がつき、ち…

コラム「猫の手も借りたい」№55 猫の手も借りたい・・・

昨年から「里親会」付いている。 昨夏から、保護猫が後を絶たず、インターネットサイトでもお世話になりっぱなしだが、それでも間に合わず、里親会を度々開催する仕儀と相成った。 お陰様で、毎回多くの方からお問い合わせをいただき、…

コラム「猫の手も借りたい」№54 空飛ぶ子猫 下

フライトは天候に恵まれ快適だった。 飛行機を降りてドキドキしながらペット専用の引き渡しカウンターに向かう。預かり証を取り出してチビが来るのを待った。 係員の方がキャリーケースを持ち、こちらに歩いて来るのが見えた。鳴いてい…

コラム「猫の手も借りたい」№53 空飛ぶ子猫 中

さて、一緒に帰ると決めたはいいが、実家ではインターネットが使えないから、航空会社には電話で問い合わせ。 ペットを飛行機に乗せるには、専用の料金がかかることやプラスチックの丈夫なキャリーケースにての持ち込みが好ましいこと(…

コラム「猫の手も借りたい」№52 空飛ぶ子猫 上

11月(2012年)の中旬、家族の法事で実家に帰った。 私の実家は「山陰地方」の片田舎で徒歩5分で日本海、民家がまばらな、のどかな場所である。 法事の前日、お隣りにたまたま行ったところ、子猫の鳴き声がする。お隣りは80歳…

コラム「猫の手も借りたい」№51 相談会

「北区 環境展」で、猫の相談会を行った。昨年の環境展に続き2回目である。 相談会の対象地域(開催小学校周辺)には、回覧板や掲示板のポスターで昨年よりも更に厚い広報を行ったし、私どものホームページでも環境展の広報とともに相…

コラム「猫の手も借りたい」№50 キジトラ獅子舞一家

コラムを書き始めた頃にご紹介したキジトラ母子「獅子舞ちゃん一家」(コラム№3,4「ルーツといきさつ上下」をご覧ください)。 一家の母猫が痩せ細り、肉が削げ落ちた顔は輪郭ばかりが目立ち、その四角い顔が「獅子舞」のお獅子のよ…

コラム「猫の手も借りたい」№49 疥癬(かいせん) 下

動物病院の診立てはやはり「疥癬」で、相当進行していたので、そのまましばらく入院することになった。またお財布からお札が飛んでいく様を想像し自分でも可笑しかったが、命を助けてやれるんだもの、工夫して節約、補てんしたら良いと思…

コラム「猫の手も借りたい」№48 疥癬(かいせん) 上

人にもあるが、猫にも「疥癬(かいせん)」という病気がある。調べてみると、猫に「猫ヒゼンダニ」というダニが寄生することによって発症するとある。 この「ヒゼンダニ」だが、なんと皮膚の中に潜り込んで悪さをするから厄介である。ヒ…

コラム「猫の手も借りたい」№47 2012夏 にゃんこの里親会

久しぶりに「里親会」を開催した。もっとも、3月に生後5ヵ月から1才くらいまでの大き目の猫ばかりの里親会を開催したので、「久しぶり」と言っても5ヵ月ぶりである。 「里親会」は、はっきり申し上げて大変です。 そもそも「会場の…

コラム「猫の手も借りたい」№46 アルとヴェガ 下

さて、次はヴェガの番。 ヴェガはというと、警戒心が非常に強い子だった。オスよりメスの方が警戒心が強い場合が多い。メスはみんなお母さんになり、子猫を護らないといけないから当然かも知れない。 ヴェガはとても美人で身体も小さく…

コラム「猫の手も借りたい」№45 アルとヴェガ 上

ロシアンブルーMIXの兄妹、昨年(2011年)7月7日の七夕に保護したので、この名がついた。 生後約3カ月、ノラ猫の彼らは駅前の交番などでフードを貰っていた。そのいきさつは  「コラム №24と25 事情聴取 上下」をご…

コラム「猫の手も借りたい」№44 小さな幸せ 下

最初は会社も休んでいたMさんだったが、さすがに長丁場になってくるとそうもいかなくなった。 食欲も全くなく、口に出来るのはコーヒーのような飲み物だけ。仕事に出て行くご家族は、みなさん、帰宅時は正規ルートではなく、少しずつル…

コラム「猫の手も借りたい」№43 小さな幸せ 中

さて、「小さな幸せ 上」をアップした後、当のMさんから、「私がどんなに辛かったか・・・ もう二度とこんな思いはしたくないし、こんな人は1人でも減らしたい。だから私への気遣いは無用、厳しい目でどんどん書いて!」というお申し…

コラム「猫の手も借りたい」№42 小さな幸せ 上

先頃、友人Mさんから緊急の連絡があり、若いオスが脱走して戻って来ない、という内容、「なんとか見つけたいのでアドバイスを」と必死の様子がひしひしと伝わって来た。 「若いオス Tくん」は、1歳とちょっと。生後2~3ヵ月頃保護…

コラム「猫の手も借りたい」№41 このところ 下

さて、次はノラ猫が「ケガ(あるいは病気)をしている」というご連絡。 交通事故などであまりに状態がひっ迫しており、動かないとか、意識がない、などという時は、動物病院をご案内します。もちろん診察代も無料ではないと思われるので…

コラム「猫の手も借りたい」№40 このところ 上

3月から、PATに依頼のあった「単身高齢者女性宅」に、増え過ぎた猫のレスキューに入った。 まず成猫全頭の手術(♂・♀合わせて23匹)、他に子猫も3匹いたが(これは小さすぎて未手術)、また、子猫を含めた人に馴れ健康状態の良…

コラム「猫の手も借りたい」№39 かよちゃん 下

最初は、うまく行っているように見えた。しかし、やはり外に出つけている彼のストレスが大きかったようである。 Yさん宅に来るまでは屋外で自由闊達に過ごし、家の中で他の猫たちと終日鼻面を突き合わせることも皆無だったかよちゃん。…

コラム「猫の手も借りたい」№38 かよちゃん 中

オスのかよこをYさん宅に入れるにあたり、慎重に打合せをした。 まず、9ヵ月近く屋外で過ごしているので、他のノラ猫にも接触している。感染症などの再度の健康診断が必要だ。病院に連れて行こうとNさんと話したところ、Nさん宅も含…

コラム「猫の手も借りたい」№37 かよちゃん 上

2007年の盛夏の真夜中、「かよちゃん」は突然現れた。 とても馴れた茶と白の猫、お尻を見たけど男の子の印(しるし)がなく、「大きな女の子」だと思い、インスピレーションで「かよこ」と命名した。私にとってこの子は「かよこ」の…

コラム「猫の手も借りたい」№36 わたしたち、何者?下

保護器を見たAさんは「え、そんなもんで捕まえるの?!! 絶対に無理よ、入らないわよ」とおっしゃった。 「なんの根拠があって、そのように『否定』されるんですか?」とお尋ねしたいところだが、そうもいかない。ニッコリ笑って「ま…

コラム「猫の手も借りたい」№35 わたしたち、何者?上

お陰様でPATも、活動開始から6年目を迎えることとなった。 そんな中、普段の様々な活動で関わった皆様や、その皆様から紹介された方、行政から紹介のあった方、またホームページも開設したりもありで、このところ「問い合わせ」や「…

コラム「猫の手も借りたい」№34 猫の事故 ~誤食/誤飲~

お正月休み、松の内も終わり、また普段の生活が戻って参りました。  くどい でございます。このコラムも2回目のお正月を迎えることが出来ました。ありがとうございます。 昨年(2011年)は、12月に「パトカー」を呼ばれるよう…

コラム「猫の手も借りたい」№33 続・事情聴取

餌やりをしている時、いきなりだった。22時半を回っていたと思う。 明らかに私は叱られていた。  「てめー、夜な夜な猫に毎晩餌やってんじゃねえぞー、てめーが餌やらなきゃ、猫はどっかに行くんだよー、気持ち悪りーなー」 顔見知…

コラム「猫の手も借りたい」№32 猫の事故 ~転落/脱走~

<転落/脱走しちゃった> 子猫を里子に出したあるお宅の話し。お見合いの時に、先住猫ちゃんがなんで亡くなったのかお尋ねしたら、なんと5階の屋上から転落したとのこと。本当にお気の毒に。5歳のオスだったそうです。 そのお宅は、…

コラム「猫の手も借りたい」№31 猫の事故~水周り~

今年(2011年)の春からずっと、子猫の里親探しが続きました。ほとんどがうちの近隣で保護された子猫たちです。だいたい月2匹ペースで里親さんを探し、けっこうヘトヘトになりました。 そんなこんなであっという間に数カ月、このと…

コラム「猫の手も借りたい」№30 予期せぬ出来事 下

入院から4日後、面会に行った。少しずつではあるが回復して来ているという。ドクターの話しだと、やっと少し眠れるようになって来た様子だと聴いて「え?」と思った。彼の場合は傷が大きく壊疽(えそ)が進行したため深く大きな傷になっ…