コラム「猫の手も借りたい」№183 おひとりさま ノラ猫プラン

「おひとりさま ノラ猫プラン」を8月にアップさせていただいたところ、お陰さまでパタパタとご相談をいただいた。
「おひとりさま」の切り口が良かったのか、団体や大人数でなくても「個人で解決できるなら」と勇気を出してご連絡下さっているようである。

元々、「地域ネコ」活動は、町会や団地の自治会など大きな単位で行うもので、個人や数人で行ういわゆる「TNR(トラップ+ニューター+リリース)」で地域に戻したネコは「地域ネコ」とは呼ばないが、今は総称して「地域ネコ」と呼ばれている場合も多い。
どの道、避妊去勢済みのしるしである「耳カット」もされ、地域の方々でエサやりなどの管理がされているのなら「地域のネコ」には変わりはないのである。

「おひとりさま」の対象となるネコさんは、町会や団地自治会などで行う数とは違って「数匹」ではあるが、「母子」での依頼が多い。
まず「母ネコ」を避妊手術出来れば、この時点での「出産」を食い止めることが出来る。
ネコたちは、最低でも年2回、1回で4、5匹の子ネコを産むので、これを1年でも放っておくということは、あっと言う間にネコが増え問題視されることになりかねない。
ましてや、子ネコが「メス」なら、と考えると本当に「ネズミ算」式に増えてしまうことになる。
たまたまだが、今回の「おひとりさま ノラ猫プラン」で避妊去勢手術を行った2件6匹のうち、オスは1匹のみであった。つまり、ここで止めなければ「5匹」のメスネコが、来年早々にはそろって妊娠したであろうと推測される。

また、もうひとつ良いことは、ご相談いただいた方々が自ら責任を持ち、解決しようとしていらっしゃる点である。
ご自宅付近やあるいは通勤途中で気になったネコさんたちをなんとかしたい、と私たちにお手伝いを依頼されて来ているのである。
これは、「ネコで困っているのでなんとかして欲しい」というクレーム的な意味合いではなく、自分で解決したいと思い「責任」が生じることもご承知で、相談をしてくださっている。
それは、とても大切なことであると思う。

ノラ猫/飼い主のいないネコ の問題は、エサをやっている人やボランティアと称される人たちだけで解決出来ることではなく、区民全体で解決する意識が必要だ。
エサさえ与えなければ解決する、という考えでは、この問題はいつまで経っても先延ばしにしかならない。
それだけネコは増えてしまっているし、なによりネコも「いきもの」なのである。
人として、他の動物と同じように、どうしたら「種」を絶滅させないで済むか、どうしたら増えすぎた数を調整出来るのか、を考えなければならないと思う。ネコも例外ではないのである。

話が壮大なことになりそうなので、この辺りで止めておこう。
「おひとりさま ノラ猫プラン」、どうぞ、お申込みください。
私たちも解決のお手伝いが出来るよう、頑張ってサポートして参ります。

2019年10月 くどいけいこ