コラム「猫の手も借りたい」№162 救出! 下

さて、トラミさんの姿が2~3日見えなくなったところまででしたね。

トラミさんはノラですが返事が出来るので、家の周囲を名前を呼びながら回って探していると、かすかな声だが「にゃー」と聴こえます。
あれ、と思って耳を傾けるとお隣のブロック塀の中から声がするので、お隣に確認した、そちらにいませんか?と。
そんなことはありえないとお隣。
一度は引き下がりましたが、そうは言っても声がするので、無理やりに(だって仕方ないんだもん、、、)調べさせていただいた。

一通り調べても、そこにはいなかったのでお隣は、「そーら見たことか」と。

そこで、2階はまだ調べていなかったので、2階では、と言うと「ありえない」と。
念のために、と2階の部屋のドアを開けていただき入ったその部屋の奥の、「小さな納戸」で発見!
お隣さんはびっくり仰天。
ま、そうでしょうね。
お隣さん、90才近い高齢のご婦人でおひとり暮らし、1階のリビングのガラス戸を時々少し開けて、空気の入れ替えをされるのですが、その短い間にリビングから入った模様。
この時も「にゃーにゃー」鳴かなかったなあ。
しかしこれも助けられて良かった。

ここまでは私の実体験で、次は相談された案件。

「近所の倉庫でにゃーにゃー鳴いているので閉じ込められたのでは?!」という相談が寄せられた。

倉庫の入り口のシャッターは施錠させており開けることが出来ない。
警察に問い合わせたがラチがあかない、とのことで「消防(レスキューですね)」の方が良いですかね?」とのこと。
私も現場に行かれるわけではないので、様子を想像しながらのアドバイスでしかない。

消防は、例えば高い木の枝に登ってしまった、とかいう場合には「ハシゴ車」などでレスキューはしてくださるかもしれないが、シャッターの鍵を持ち主の了解なしで勝手に壊す、などということは出来ないに違いないから、ここは「消防」ではなく、とにかく「警察」に動いてもらうように働きかけるのと同時に、近隣をお訪ねし(迷惑な話だが)、リサーチしながら倉庫の持ち主さんにシャッターを開けていただく方法を探ることかと。

もちろん、長時間放置すると命に関わる可能性も否定できない。
倉庫の持ち主の方も、何日も経ち、中でネコが死んでしまいその後始末をする、などとなったらとてもイヤであろうと拝察するので、ネコを外に出すためにシャッターを開けていただくのは、よほど遠方にお住まいでない限りは大丈夫ではないか、と思う。

近隣で手は尽くしたが、シャッターを開けてくださる方に行きつかない、という時が一番問題で、これはやはり「警察」から連絡していただくなりの手段に頼らないと、助けられないことになる。

もちろん、近隣のリサーチで2~3日に1度は必ずシャッターを開けて出入りされている、などの情報があればある程度安心だが、まったく情報がないとなると、やはりお巡りさんに相談して、とのアドバイスになるかな。

この時は、近所の方もこの状況にお気づきで、幸いにもシャッターの鍵を開けていただくことが出来、事なきを得た、とのこと。
めでたしめでたし。

2018年11月 くどいけいこ