コラム「猫の手も借りたい」№102 保護さまざま

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眠い。 寝不足である。
理由は判っている。昨夜遅くまで起きてインターネットで「犬の保護映像」を見ていたからである。

たまたま見つけた外国の映像で、1本が5分程度の映像なんだが、これが感動するのだ。 ご覧になった方も多かろうと思うが、映像はアメリカの犬の保護団体が、車で現場に駆けつけるところから始まる。

映像はこんな感じだ。
発見場所は地下道であったり、人家の床下であったり駐車場の一角であったり、さまざま。ゴミと一緒のことも多い。 英語で放送されているので、簡単な説明が日本語でつけられているが、それを読むと犬がその状況下に置かれた期間は「半年」であったり、「1年」であったり、けっこうな長期間犬はその場所で飢えを凌いでいた様子で、それこそ小型犬は毛も伸び放題、汚れ放題で、汚いモップみたいになっている場合もあり、思わず「あ~」とか「いや~」などと声が出てしまう。
皮膚病にかかったり、高齢の犬だと白内障も出ていたりで、こんな過酷な環境でと思わす目が潤む。

保護のために「ハンバーガー」や「ハム」をエサで置いたり、優しく声を掛けながらちぎって投げ与えたり、時間を掛けながら様子を見る時間帯があり、そこから捕獲のためのロープを首にかけ拘束して行く。
そこでもっとも抵抗する子が多く、鳴いたり咬んだり、咬まれた団体の人は「アウチ(痛い)!」と言いながら、それでも少しずつさわって、馴らして行く。 その辺りは見事であり、保護に慣れているな、との印象を持つ。
元々人間に飼われていたので、それを覚えている犬たちは従順さを取り戻し、だんだん落ち着いて来る。
最後は捕獲ロープから布製の首輪に替え、抱っこして車に乗り込むまでになるのである。

さて、保護された後、まずは毛刈りと入浴、ブローで保護犬は見違えるようにキレイになる(別犬ですぞ)上に、体全体で甘える様子を見せる。それは目の表情だったり小刻みに振るシッポだったり。

その後は、どんどん変わって行く犬の変化を「良かったねえ」と言いながら眺めることになるのであり、こちらも幸せな気分になる。 BGMも優しい曲調で、うーん、この映像にピッタリね、という曲が流れていてニクイなあ。

こんな映像がたくさんたくさんあるので、ついつい見てしまうと、寝るのが遅くなってしまうのである。 映像の終わりには、寄附を募る字幕が出る。資金がなければ保護活動も出来ないわけである。

私たちは「猫」の保護に伺うが、目的が避妊・去勢手術のための保護なので「捕獲器」を用いての保護である。
保護した子たちは、手術を終えるとまた元の場所に戻し「地域猫」として暮らすことになる。
里親探しをしたいが、「保護」出来ないので捕まえて欲しい、との依頼は時々あり捕獲器で保護後、お渡しする。
ノラ猫は避妊・去勢手術をし「地域猫」とするのだが、なるべく早く1匹でも数を減らしたいなら、貰い手の付きやすい仔猫をピックアップし、里親さん探しをするのも一考である。
ただし仔猫の保護は、動物病院での健康診断や駆虫などの処置、風邪などの病気やケガの治療代など、掛かる費用も決して安価ではない。
そうは言っても、通常、1~2ヶ月程度で里親さんが見つかり里子に出て行く場合がほとんどであり、望まれて新しい家族に巡り会う子の幸せを見ることが出来る。保護主さんもさぞかし嬉しいであろう。

私たちも、仔猫の保護、里親さん探しの際のお手伝い(アドバイスなど)は承りますので、どうぞご相談ください。

2015年9月 くどいけいこmachi_beret - コピー